尿管結石・尿路結石とは
尿は腎臓で生成され、尿管を通って膀胱に送られ、尿道から体外へ排出されます。この経路全体を「尿路」と呼びます。腎臓内でできた結石がこの尿の通り道に詰まり、痛みなどの症状を引き起こす疾患をまとめて「尿路結石」と言い、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などが含まれます。
なかでも尿管結石は、激しい痛みを伴うことが多い病気です。尿管には狭くなっている部位が3ヶ所あり、小さな結石でもそこで詰まりやすくなります。結石による詰まりを放置すると、腎臓の機能が低下する恐れがあるため、早めの対応が重要です。
発症の傾向としては、中高年の男性に多く、男女比はおよそ2対1とされていますが、近年では女性や若年男性の発症も増えており、年齢や性別を問わず注意が必要な疾患です。
尿路結石の症状
尿管結石は「じっとしていても治まらない強い痛み」が現れることで知られています。特に尿管の狭くなっている箇所を通過すると激しい痛みが生じやすくなります。結石の位置が変わることで痛みに波が出ることもあり、通常は数日から数週間にわたって痛みが続きます。また、腎臓内に結石がある段階で症状が現れることもあります。
尿路結石の症状
- 血尿
- 腰のだるさや慢性的な腰痛
- 背中に違和感や痛みを覚える
- 腹部・背中・脇腹にかけて筋肉痛のような痛み
これらの症状は、腸の深刻な疾患や心筋梗塞による背部痛とも類似している場合があるため、早めに受診することが大切です。
尿管結石の症状
- 突然起こる激しい痛み(脇腹から下腹部にかけて)
- 血尿
- 腰の痛み
- 吐き気や嘔吐
- 冷や汗が出る
- 顔面蒼白
- 陰部の痛み
尿路結石の原因
尿路結石は、尿の中に含まれるカルシウム、マグネシウム、尿酸などの成分が過剰に濃縮され、結晶となって固まったものです。特にカルシウムを主成分とする結石が多く見られます。なぜ結石ができるのか、その詳しいメカニズムは明らかになっていませんが、遺伝的な体質に加え、日常の生活習慣が大きく影響すると考えられています。さらに、特定の疾患や身体の状態が結石形成のリスクを高めることもあります。
日常生活におけるリスク因子
- 十分な水分を摂っていない
- 発汗量が多い
- 食べる量が多い
- 肉類中心の食生活をしている
- 糖質・塩分の摂取量が多い
- 運動不足
- 尿が濃縮されていたり、尿の流れが滞っている
- ストレスを溜めやすい
医療的・身体的なリスク因子やリスクを高める疾患
以下のような病態・薬剤使用・身体状況も結石形成に関わるとされています。
- 入院や加療により長期間横になったままの状態(尿の流れが停滞)
- ステロイド系の薬剤を長期使用している
- 尿管が狭くなっている/前立腺肥大などにより排尿に障害がある
尿路結石を引き起こしやすい代表的な病気には以下のようなものがあります。
- 骨粗鬆症
- 脂質異常症
- クッシング症候群
- 高カルシウム血症
- 原発性副甲状腺機能亢進症
- シスチン代謝異常症
- クローン病などの炎症性腸疾患
尿路結石の予防
尿路結石は再発しやすい疾患のため、日頃の生活習慣を見直し、再発を防ぐ取り組みが重要です。結石は、尿路を詰まらせるほどの大きさになる前であれば、尿とともに自然に排出されることもあります。したがって、結石そのものを作らない工夫に加えて、「大きくしない」ことも予防のポイントとなります。
十分な水分摂取量を意識する
1日あたり2リットル以上の水分摂取を目安に、こまめに水分を摂りましょう。特にカフェインや糖分を含まない水や麦茶などが理想的です。
食事内容に気をつける
塩分・糖分・脂肪分の摂りすぎは、結石のリスクを高めるため注意が必要です。また、ホウレン草、紅茶、チョコレート、ビール、レバーといった結石の原因になりやすい食品はできるだけ控えめにし、代わりに食物繊維を豊富に含む食材を意識して摂取しましょう。
加えて、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルも適度に取り入れることが推奨されます。全体として、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
寝る前の過ごし方にも注意
結石は夜間から早朝にかけて形成されやすいと言われています。就寝の3時間前には固形物を控え、眠る前にはコップ1杯程度の水を飲む習慣をつけましょう。
尿管結石・尿路結石の治療
結石の大きさや症状の程度によって異なります。小さな結石であれば自然排出を目指し、ある程度のサイズがある場合には、結石を砕いて体外へ出す処置が検討されます。
5mm以下の結石
比較的小さな結石については、薬物療法による症状の緩和と生活習慣の改善によって、自然排出を促す治療が基本となります。
具体的には以下のような薬剤を用います。
- 鎮痛薬:結石による激しい痛みを緩和
- 鎮痙薬:尿管の痙攣を抑える
- 排石促進薬:尿管を拡張して結石の通過を助ける
- α遮断薬:尿の流れを改善して排出を促進する
また、1日2リットル以上の水分補給と、適度な運動を習慣づけることも重要です。これにより尿量が増え、結石がスムーズに排出されやすくなります。
5mm以上の結石
位置や痛みの強さ、合併症の有無などを踏まえて、治療方法を選択します。お薬による経過観察で自然排出を期待するケースもありますが、状況に応じて砕石治療が行われることもあります。大きな結石の場合は連携医療機関をご紹介し、スムーズに治療を受けていただけるようにサポートしております